碧い香港びより

どきどきの香港生活が始まるぞ ~へっぽこ香港駐妻奮闘記~

「転勤の話が出ました」

結婚して上京し、妊娠・出産・育児休暇を経て3年が経った2021年。
ありがたいことに息子はこの春1歳を迎え、保育園に入ることができ、
私は無事に育休から復帰した。


コロナ禍の育休中に都内にある私の職場もずいぶんと変革していた。
復帰後は完全リモートとなり、感染者が増えるにつれて「原則出社禁止」になった。
在宅勤務も慣れてしまえば子育てをする身にはこんなにありがたいことはない。
コロナが収束してもこの労働環境が続いてほしいなぁと思いながら日々を過ごしていた。


ある日、同じく都内勤務の夫が帰宅の連絡とともに「転勤の話が出たので家に帰ってから話します」とメッセージを入れてきた。


昨今の状況を差し置いて国内転勤をすることの意味とは…
行先はどこだ、大阪か?名古屋か?はたまた九州か?などと思いながら夫の帰りを待っていた。


夫は帰宅し、部屋着に着替え、私は食事の準備をしていた。
私が「どこ?」と話しを切り出す隙もなく夫はこういった。


「香港です」


…国内じゃない。この時期に国内でもびっくりするけど海外なんてあり得るのか。
不要不急なのではないかと思った。正直行きたいかどうかと言われると「嫌だな」という気持ちだった。

でも夫は海外勤務を希望していたのは知っているし、念願叶ったのだからめでたいことだ。
おめでとう、よかったね、と夫には言った。

 

なんだか一気に生活があわただしくなるなぁ。何から準備するんだろう。
保育園せっかく楽しそうだったのにな。仕事も復帰したばかりだったのにな。休職できるのかな。退職かな。
今通ってる美容院、すっごく気に入ってたし安心して任せられてたのにお別れかぁ。
海外で美容院行くのハードル高いな。髪の毛伸ばさなきゃ、色落とさなきゃ…(現在明るめのマッシュショート)
不安なことがありすぎて、言語化できる心配事なんてものはこんなしょうもないことしかないのである。

 

とりあえず香港のこと、引越のこと、渡航までに済ませておくことをひたすら調べる日々が始まったのであった。